ケーススタディ

ガラス温室やファイトトロン|植物の成長をサポートする透明な空間

ガラスは色んな所で使われていて、今回の話は温室に使用されるガラスについてです。
ガラス温室は、その名の通り、主にガラスで構成された建物で、植物の成長に理想的な環境を提供します。外部よりも暖かい気候を作り出すため、日光を効果的に利用し、年間を通じてさまざまな植物が育つ場所として設計されています。
ファイトトロン(Phytotron)は、植物の育成や改良を目的として使用される、環境温室です。この特別な温室は、植物の成長条件や環境条件を厳密に制御し、さまざまな植物が年間を通じて育つ理想的な場所になります。

ガラス温室・ファイトトロンの特徴
ガラスは日光を効率的に取り込み、植物に必要な光合成を促進します。また、ガラスは外部からの風や雨を遮断しながら、光を植物に届ける役割を果たします。ファイトトロンは温度と湿度の制御も可能で、植物の種類に合わせて温度、湿度を調整でき、成長段階ごとに最適な環境を保て、遺伝子組換えなどのバイオハザードに対応した閉鎖系ファイトトロンもあるようです。
病害虫の防止: ガラスは外部からの害虫や病原体を遮断し、植物を保護します。

水耕栽培やアクアポニックス
ガラス温室の制御された環境は、伝統的な土壌を使わずに植物を育てるにも最適で、アクアポニックスは、水耕栽培と養殖を組み合わせた次世代の循環型農業システムです。このシステムは、魚の排泄物を微生物が分解し、植物がそれを栄養として吸収します。浄化された水は再び魚の水槽に戻り、生産性と環境配慮の両立を実現する未来を切り開く革新的な方法と言えるでしょう。この装置は大阪万博にも展示される事が決まり、ガラスを弊社が提供する事になりました。そのガラスの話はこの後に書かせていただきます。

pastedGraphic.png某大学のファイトトロンで内部より撮影させて頂きました。

温室用ガラスとは
温室用ガラスは、農業用に開発されたフィルムを使用して、太陽光からの熱を抑えつつ、植物の光合成に必要な光と生育に必要な紫外線を透過させる事の出来るフィルムを使用したガラスなのです。このガラスには、複層ガラスタイプと単板ガラスタイプの2種類あり、複層タイプは、さらに断熱性能が上がります。
このフィルムは、高透過なフィルムで、可視光線透過率が高く、ガラスに貼ってあることを感じません。高い省エネ効果で遠赤外線の反射率が高いため、断熱性能が良く、飛散防止性能も高く、高強度ポリエステルフィルムがガラスの飛散を防ぎます。ガラス張りの温室ですので、割れた時の安全が求められています。

フィルムの特徴は次の通りです。
【赤外線カット】
このフィルムは、植物の光合成に必要な可視光域の光(400~700nm)を通しながら、近赤外線や遠赤外線を大幅にカットします。これにより、温室内の温度上昇を抑えます。

【紫外線透過】
植物の生育に必要なUV-A領域(320~400nm)の紫外線を透過させ、植物の成長を促進します。

【飛散防止効果】
アグリガラスは飛散防止効果があり、台風や地震などの災害時にも安全に利用できます。
ガラス張りの外観ですから、割れた場合にガラスの破片が飛び散る事を防ぐ事が出来ます。このガラスは、新設温室から既存の温室ガラスの張り替えにも対応できるため、植物の試験研究から植物の生産まで幅広く利用されています。
来年開催される大阪万博でアクアポニックスが展示されます。現在、打ち合わせを行っておりますので、また詳細はブログに書かせて頂きます。

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