ケーススタディ

『試験機』のガラス窓に結露が発生! “検査ができない!”という問題をスピーディーに解決

試験機のぞき窓に使用されるペアガラスに結露が発生。その原因を追究し、結露の発生を防止するガラスを納入しました。
問 題
 精密機械部品の観測を目的とする試験機のガラスが結露

『試験機のぞき窓が曇って、庫内の状況が見えなくなった。何とかしてほしい』
そんな一報が当社にありました。他社が納入したガラスでしたが、その納入会社では対処できなかった為、当社に相談が持ち掛けられたのです。
当社とは取引実績がなく、製造機械の情報もありませんでしたが、業務に大きく支障を来していることは容易に想像できましたので、何はともあれ、まずは現地に赴いて事情を聴くとともに問題のガラスの状況を把握する事にしました。

現地に到着して早速、事情を詳細にヒアリング。すると当該ガラスは恒温恒湿器に使われているとの事。この機械は試験機内の状況を検査する為、曇ってしまうと試験ができない状態になります。
一般に精密機械部品は、製造後に様々な試験が実施されます。試験には熱衝撃試験や温湿度サイクル試験、蒸気加圧試験、振動・衝撃・落下試験などがありますが、熱帯地域から寒冷地まで世界中で使用される事から、温湿度サイクル試験は特に重要です。温湿度サイクル試験とは温度・湿度を一定のサイクルで変化させ、精密機械の性能が変化しないか検査するものです。

原因と課題
使用温度と外気温の温度差で結露が発生した事が判明

恒温恒試験機を製造しているメーカーに訪問し状況を確認したところ、ペアガラスに結露が発生して曇っていました。結露はガラス表面に出ており庫内の状況を把握する事が難しい状況になっておりました。

解決策
お客様のご使用温度条件から露点温度を割り出し、ヒーターガラスに変更
ガラス入れ替えにあたり、ガラスの大きさや、どのような環境で使われるのか、庫内、庫外の温度と湿度、相対風量などをヒアリング、露点温度(結露が発生する温度)を電力計算システムでシミュレーションしました。

この事例では、ガラスの大きさはW340×H330㎜、庫内温度-10℃から+80℃の環境の中で試験が実施されます。通常のペアガラスでは庫内と庫外の温度差で、結露が発生する事が、シミュレーションで判明、算出した電力値でヒーターガラスを発熱させ結露を防ぐ事ができました。それ以降、ご使用温度により、ヒーターガラスを使用してもらう事になり、結露問題を解決する事に成功いたしました。

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