ケーススタディ

グラスサインで「クルマ」が、アメリカングラフティに蘇る!

そもそもグラスサインとは何?

19世紀後半にイギリスで生まれたガラスエッチング加工で、アメリカ・NYに技術が伝えられ、様々な技術や技法を使い、アメリカの看板業界を席巻した加工方法で、シャネルやルイヴィトンなどのハイブランドのロゴマークや宝石店、ブティクなどの看板や店内装飾に使用されたデザインガラスです。

本物のゴールドを使用し美しい輝きと細やかなディテールは街行く人々を釘付けにするほどの美しさで、良き時代のアメリカを象徴する技術なのです。

日本にも、ただ一人この技術を継承されている方がいらっしゃいまして、今回グラスサインの合わせ加工依頼を受けました。

では、合わせガラスとはどんなガラスでしょうか?

一番身近なところでは、車のフロントガラスに使用されているガラスです。ガラスとガラスの間に樹脂フィルムを挟み密着させたガラスで、割れた場合でも破片が飛散し難いので、前の車が石を跳ねて後続車のフロントガラスに当たっても突き破り難いガラスになり、防犯ガラスにも使用されています。

もし、水害に合われ車が水没してもフロントガラスから脱出するのではなく、助手席、運転席側のガラスを割って脱出してくださいね! 因みに助手席、運転席側のガラスは強化ガラスが使用されていますが、鋭利な物で衝撃を与えると簡単に割る事ができます。

話が脱線しましたが、今回の依頼は、グラスサインの合わせ加工で、クラッシックカーリアガラスに取り付けるガラスになります。

【作業工程】
1)リアサイドガラスと同じガラスを作成する事からになります。
2)型紙をつくり、その型紙から型板の作成
3)その型を利用してガラスを2枚切断、片方にグラスサイン加工を、もう一枚は加工しないガラスです。

4)後は合わせ加工ですが、以前※サンドブラスト加工したガラスを合わせた際に、ガラスが割れてしまった事がありました。その時は、何枚もの試作を繰り返し、割れや、気泡が入る失敗を繰り返しましたが、エッチング加工の彫る深さが重要で、深く彫れば、立体感が出てロゴや文字を浮き出す事ができるのですが、合わせ加工時の加圧に耐える事ができずに、割れや、気泡が入る原因になってしまったのです。

※サンドブラスト加工
高圧で砂をスプレーのように吹き付け、ガラス表面を削っていく手法です。

これは、一般的にも普及している技術で、吹き付ける時間が弱いとガラス表面がザラザラになる程度ですが、長時間吹き付ける事で、深く削る事も可能です。

※グルーチップ加工
グルーチップは別名、結晶ガラス、霜降りガラス等と呼ばれるエッチングガラスです。

膠をガラスに流し込み、乾燥させる事でガラス表面を削り取っていく手法で、配合や乾燥時間、熱を加えるタイミング等で仕上がりを調整する為、熟練の技術が必要です。

※アシッドエッチング
この作業が一番熟練の技が必要な手法と言ってもいいかもしれません

酸性エッチング液を使用し、ガラス表面を溶かして模様を付ける技法で古くから行われているエッチング加工です。サンドブラストで彫った表面に使用する事もあります。

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